わっぱるの駐車場に、おもしろい形の枝が落ちています。
ゴツゴツとした太い枝。ちょっと不格好な印象です。
きれい・・・とはいいがたいですね。
ちょっとだけ、枝を割いてみると、その見かけに似合わず、甘い香り。
これは、ケンポナシという植物です。
時期になると枝がふくらみ、甘くなります。食べられるんですよ。
それにしても、実ではなく、枝が膨らむなんて、変わっていますね。
ちなみに、果物などで「果実」となる場所は、上の図の赤い丸で囲っている部分。
この中に種が入っています。
実が枝の形をしているのではなく、実を支えている枝が膨らんでいるというのがよくわかります。
種はこんな形をしています。くし切り型の、つやのある黒い種。
なかなか可愛らしい見た目です。
さて、この甘い「枝」、動物たちが結構好んで食べます。
テンやタヌキ、サルの糞からケンポナシの種が出てくることもしばしば。
ガブリと甘い枝部分をかじると、先端にくっついている種も一緒に食べられて、動物と一緒に移動できる仕組みです。最終的に糞で落とされ、そこで発芽します。
鳥に運んでもらいたい植物は、基本的に赤い色をしていてよく目立ちます。
地味な色合いの代わりに、あまい香りを放つケンポナシは、哺乳類に依存する植物と考えていいでしょう。
さてさて、ここまで紹介したからには、「食レポ」もしなければ。
枝をぺろりとなめてみると・・・・
しぶい!
やわらかさもなく、おいしくない・・・。
どうやら、時期を逃してしまったようです。(本来しぶみは無いはず)
キャンプ場の実りの秋もそろそろ終わり。
動物たちにとって厳しい冬が近づいてくるのを感じます。
(スタッフPo)